イギリス留学記

 
全文  バース編
※このページには最新の分だけを掲載し、あとは上のリンクにまとめました。
 頭からお読みになる場合は、そちらをどうぞ。


 四月二十八日(水)
『BLUE』の著者ニック君からメールがあり、今発売されているアイデアという雑誌に、奥さんであるアンナのデザインが、8ページにわたって紹介されているのだそう。とりあえず一冊注文して、見てみるつもり。クリエイティブな夫婦である。『BLUE』を読んでアンナの愛に心打たれた人は、ぜひ手に取ってみてくださいませ。

 今日は朝からケーブルで、プレミア・スヌーカー・リーグ2004第9戦、マーク・ウィリアムズ×ポール・ハンターを観戦。ふたりともイケイケで攻めていくスタイルなだけに、かなり熱い試合だった。ハンター君、ルックスがかなりいいから、日本でも人気出るだろうけどなあ。いかんせんスヌーカー自体がほぼまったく知られていないので、無理か。ちなみに、ニック・ホーンビィの『ハイ・フィディリティ』の中にスティーブ・デイビスがチラリと出ていることが判明。「イギリスじゃあホントに有名人なんだなあ」と、改めて実感した。解説者の福田豊さん曰く、「イギリスでは、彼がスヌーカーの選手だということを知らない人もいるはず」だそう。とにかくデイビス選手はおもしろいおっちゃんで、テレビのバラエティ番組などにもよく出ているから。僕はイギリス居たころは途中でテレビの視聴権が切れてしまい、新たに一万円以上も払うのも馬鹿らしかったから、テレビ観なくなっちゃったんだよな。今思えば、たったそれだけ払っていれば、スヌーカー観放題だったのに……。なんとももったいない。今年もしかしたらイギリス行くかもしれないから、そのときはぜひ、試合を生で観られるような感じにしたい。ついでに、自分でも遊んでみたい。
 個人的には、マーク・ウィリアムズやロニー・オサリバンのような派手なプレイスタイルの選手よりも、スティーブ・デイビスやジョン・ヒギンズといった感じの地味目のスタイルの選手のほうが好み。ちなみに、プレミアの放送でおなじみのあの審判さん、今日放送分のマッチの前日に、交通事故に遭ったらしい。「精神的には動揺してるだろうけどジャッジがしっかりしてるのは、さすが一流審判」と、イギリスの解説者が言っていたらしい。今度同じ試合の放送のときには英語にしてチェックしてみよう。


 四月二十六日(月)
 そういえば昨日、中川五郎さんのニューアルバム『ぼくが死んでこの世を去る日』が発売になりました。二十六年振りのアルバムだそうです。僕は四月五日の先行発売ライブで購入してずっと聴いているのだけど、とてもいいので、興味のある方は、ぜひご購入ください。大きいレコード店では扱っているようです。五郎さんのサイトにも、購入方法の手引きなど載ってます。

 どんなアルバムかというと、死についてとても考えさせられる一枚、というところ。「考えさせられる」というよりも「意識させられる」というか。けっこう聴いてると落ち込んだり暗い気持ちになったりするけど「こういうこともたまには必要なんじゃないの?」と思ってしまった。それにしても、どうせ死んでしまえば何もなくなってしまうのに、なぜこうも感じることが多いのやら……。
 ちなみに五郎さん、ちょっと前の夜中に自転車で車にはねられ、危うく本当にこの世を去ってしまいそうだったのだとか。精神的な胸の痛みに加えて肉体的な胸の痛みも患ってしまった五郎さんに、励ましのお便りを出そう。


 四月二十二日(木)
 ポプラ社第三編集部のサイトにて公表されたので、ここでも発表。六月中旬くらいに、僕が翻訳を担当させて頂いた『Good Luck』という本が発売になります。表紙にあしらわれた四つ葉のクローバーが目印。とても面白い本なので、ぜひともお楽しみに。

 ここ最近の更新頻度が落ちているのは、ちょっと疲れているから。とにかく『The Confessions of Max Tivoli』の翻訳が大変なので(こちらは夏以降くらいの刊行が予定されてます)、作業をしていないときは、できるだけワープロに向かわないようにしている。とてつもなく文章の難しい本で、作業が進むたびに実力が上がるのが分かる。文章の力も、翻訳の力も。こういう仕事をさせてもらえるのは、なんともありがたいこと。これは本当にすごい作品なので、発売されたら、ぜひとも手に取ってみてほしい。夏過ぎにあれこれと印税が入り始める予定で、それまでけっこう生活が苦しいのだけど、この作業があるとどうもアルバイトなどする気にもなれない。どうしたものやら。それが自分の情けなさであることは分かっているのだけど、それに救われている部分も大きいわけで(これが甘えです)。


 四月十八日(日)
 今日からはまた以前のように、日々のできごとなども書いてゆくつもりだ。留学記は、気が向いたときに気が向いただけ書くことにする。やはり、ひとつのものを長い時間かけて書いてゆくのは僕はいささか苦手である。そう聞けば、どこか芸術家風で格好よく聞こえるかもしれないが、なんのことはない。義務感を持つのが嫌なだけなのだ。いつまでもこうして生きてゆけるわけではないだろうが、愚かなことに僕は、何度そんなことを味わっても、ついに行き止まりに突き当たったと実感するまでは、どこか不真面目なほどに楽観的なのだ。今年は、この習性をなんとか正すのが、ひとつの目標である。いい形で、三十代を迎えたい。もう、青春は終わったのだ。無論、実際にそれが終わりを告げるのは、自分でそう自覚したときなのに違いないが、そのように頭の中で区切りをつけるのに、この「三十代」という言葉はなんとも便利だろう。


 四月十五日(木)
 烏山のアンドウさんから「誕生日だし飲みに行こうぜ」と誘われ、夜の十時から烏山で酒。楽しかった! 三時くらいに飲み終え、始発までビリヤードをする。始発電車は俺しか乗ってなくて、がらがら、手すりにぶら下がったり、生まれてはじめて網棚に乗っかって寝転がったりして遊びながら帰ってきた。

 ともあれ、三十歳おめでとう、俺。三十歳か!