十二月二十五日(日)
気取ったレストランでクリスマス・ディナーを食べていた。
年寄りのウエイターがコンソメスープを運んで来た時、ウエイターの親指がスープ皿の中にどっぷり浸っていることに気付いた。
次にウエイターがサーロインステーキを運んで来た時も、ステーキのグレービーソースにしっかり親指を漬けていた。
いささか不愉快な気分になったが、「まぁ、このレストランは世界でも名高いレストランなのだから、ひとまず我慢するしかないか」と自分に言い聞かせた。
最後にウエイターがデザートのバニラアイスクリームを運んだ時は、彼は指を料理の中に入れていなかった。
それを見てウエイターに聞かずにはいられなかった。
「失礼、君はコンソメとグレービーソースには指を入れていたのに、なぜアイスクリームには指を入れなかったのかね?」
じっと俺を見つめていた老ウエイターはこう答えた。
「簡単なことじゃよ、お若いの。わしはリューマチがひどくてな。親指を温かいものの中に入れると痛みが柔らぐんじゃよ」
それを聞いた俺は猛烈に腹を立ててウエイタ ーに怒鳴った。
「このクソッタレ野郎、てめえのどうしようもない親指を俺の食べ物の中で温めていただと? ふざけんな!そんなに温めたけりゃてめえのケツの穴にでも入れて温めていやがれ!」
老ウエイターはうなずきながら答えた。
「キッチンに戻ったときはそうしているよ」
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