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2006 01


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 二月二十七日(月)
 岡山から帰宅。福田選手を破ってベスト4進出を果たすも、そこですっかり疲れ切ってしまい、次を落とす。ドラゴンに比べたら確実に楽な相手だったのだけど。というわけで、なんだかんだ言って「結局チャラ」みたいな結果だった。ただ、試合当日はそんなこと思わないくらいすっかり疲れ切ってしまっていたのだけど、翌朝は、悔しくて目が覚めた。いい結果だとは思えない。が、まあ満足していないというわけではない。たぶん、その程度が今の限界なんだろう。とにかく練習。負けるのは、弱いからだ。

 福田選手とのマッチでは、実は「勝とう」とは思っておらず、とにかくほとんど片時も休まず、心の中で「勝ちたい」とつぶやき続けていた。ぶっちゃけ、僕はHB21の泥仕合。オープニング・フレームなんて、9−75で落としている。ディサイディング・フレーム(そこ取れば勝ち、というフレーム)にいたっては、一桁得点の連続。あれでよく勝てたな、と思う。前半に20点くらいリードしたところでほとんど精神力を使い果たしていたのだけど、1点2点を争うフレーム終盤には、なんかいきなり楽になってしまった。最後のブラックは簡単な球ではなくて、たしか右フリのある、イエローコーナーへのロングだったんだけど、なんだか妙に入る気がしていた。JSAの騎士こと長峰選手のモノマネをしながら入れるくらいの余裕があった。あのブラックだけは、自分らしいショットだったな、と思う。「これはド真ん中から入れよう」と思ったら、ほんとド真ん中から入った。
 準決勝の山本選手戦では「勝ちたい」よりも「勝とう」が先行。それが結局、敗因に繋がってしまったか。でも、直前のドラゴン戦でかなり疲れていたのは事実で、結局、マッチを通して自分がなにをしているのかぼんやりとしか分かっていなかったくらい。負けた時は「あー、ようやく終わった」くらいの気持ちだった。翌朝、ものすごく鮮やかに悔しくて目が覚め「俺はなんつーことをしたんだ」という気持ちになったけど、まあ、限界だったな。悔しさは、自分の能力不足に対して。山本選手はブレイクこそ出ていなかったけど「これを入れるんだ」という気持ちがすごく強く、気迫負けした。そこに至るまでに気迫に打ち克つだけの気力を残しておけなかったというのは、技術とは無関係なところで、僕の実力不足。

 というわけで、かなり課題の見えた岡山遠征。今下手に結果を出してしまうよりも、むしろよかったかな。つか、ドラゴンに勝ってのベスト4は、今の僕にはできすぎた結果だともいえるわけだし。とにかく、周囲のプレイヤーを見ている限り、ある程度の結果を出せば何かが変わる。今回はいったい何が変わるのか。楽しみだ。とりあえず、勝って強くなることはあっても、勝って弱くなることはないのだし。
 今回の大収穫は、メンタル。二ヶ月連続でメンタルが壊れて予選落ちが続いており、二月も中旬に予選落ち食らってからかなりメンタルについてあれこれ考えていたんだけど、それが功を奏したのか、本戦では一度もメンタルが崩れることはなかった。もちろん疲労感から来る気力の薄れやらなにやらそういうのはあったのだけど「必要のない崩れ」は、初戦の藤井選手戦以外なかったように思う。これは正直、大きな自信につながった。岡山遠征、非常に有意義だった。鷲見選手とそろってのベスト4進出も嬉しい。

 会場でゆっくりお礼をする時間もなかったのだけど、岡山スヌーカーハウスの馬来さんご兄弟には、三日間、色々とすっかりお世話になってしまいました。本当にありがとうございました。


 二月二十三日(木)
 ちーっす。夕方の四時前くらいに岡山に到着しました。ホテルに荷物だけ置いて、その足で『岡山スヌーカークラブ』へ。明日の予選の前に、ちょっとだけでも撞いておくのが狙い。と、迷いつつもようやくお店を見つけて中に入ると、なんと、大阪の田中さんがいるではないか。というわけで、フレームをご一緒。ふたりともなかなか球が入らず。というのも、このお店にあるのはぜんぶトーナメント・テーブルなのだ。穴せま! いつもはクラブカットのテーブルで撞いているので、よけい狭く感じる。でもまあ、びびらずちゃんと撞けば、それなりに入る。明日の予選がんばるぞ。

 それにしても、見るかぎり遊んだりするとこぜんぜん無さそうだなあ。予選が終わったらあんまり撞かないで早めに街に戻ってきて、あちこち歩いてみよう。せっかく遠くに来てるんだし、旅行にしなくちゃもったいない。

 というか、パンツの替えを忘れました。大変です。


 二月二十三日(木)
 岡山遠征前日だというのに、結局朝までフィギュア観てる俺です。ついさっき、安藤美姫選手が4回転トライで転倒。その後の演技はボロボロだったけど、非常に人間くさくてなんだかグッと来た。特に、つまづいてフェンスに手をついちゃった瞬間はキた。ああいうときの気持ち、分かるなー。俺も試合になるとすぐメンタルがボロボロになるから。後半、どんどんスピードが落ちてゆく安藤選手を見ながら「あー、これってビリヤードで言う『キューが出ない』っていう状態と同じなんだろうなあ」とすごく思った。
 でもまあ、無理もないよな。オリンピックってそれだけ特別な空気があるんだろう。今回のことを考えたら残念だったけど、次のことを考えたら、意義ある失敗だったんじゃないかな。と、言えるようになる日が来ればいいな。一度大舞台で大失敗することで、強くなるメンタル的な部分というのは確かにある。
 成功率の低い4回転にトライして失敗したことで賛否両論あると思うけど、成功させなくちゃメダル絶望的な状態で、すんごいプレッシャーあったと思うけど、守りに入らず攻められたのは、俺はよかったと思った。某ボーダー女子とは失敗の意味がぜんぜん違う。結果としては残念だったけど、個人的には、非常にいいもの観ることができたと思った。

 実は、一昨年の11月にスヌーカーの試合に出るようになって、すぐに「あいつら実はすんごいことやってたんだな」と思ったのが、フィギュアの選手たちだった。あれだけの観衆の前で、あの広いリンクで、何分間かひとりで演技をし続けるのって、ほんとすごいことだと思う。全世界に生中継なのだからなおさらだ。しかも、俺が出てるスヌーカーの試合とはちがって、ワンミスで終わってしまってもおかしくないのだから、プレッシャーはすごいはず。俺だったら間違いなく意識飛ぶな。

 にしても、この舞台でミスなく滑れる選手って、どんなメンタルしてんだよ。
 マジでゴイスー。

 とか言ってる間に、荒川静香選手、すっげーーーーーー!!!!! なんちゅーメンタルタフネス!!!!! 起きててよかった!!!!! 金メダルおめでとう!!!!!!


 二月二十一日(火)
 やー、しばらく日記サボってしまった。とりえあず、できるだけキーボードには触りたくなかった。アレルギーに近いかもしれない。でももう大丈夫。来月からまた一本翻訳が始まるのだけど、その資料を翻訳したりしながら一日を過ごした。
 現在、訳が終わって刊行を待っているのが2冊あるのだけど、非常に幸いなことに、校正作業が重なることはなさそうだ。うまい具合に入れ替わり立ち替わりで作業になるので、時間的な余裕はまあまあある。ありがたい。今年の上半期はいいタイトル連発なので、ぜひぜひお楽しみにどうぞ。

 24日から岡山遠征に出かけるのだけど、それを思うと居ても立ってもいられず、夜中にちょっとだけスヌーカーを撞いた。調子はまずまず。メンタル次第だな。個人練習でひとり二役でフレームを撞いてみたのだけど、66点ブレイク出た。ただし、個人練習なのでHBとしては認めず。でもまあ、ノー・プレッシャーでさえあれば、このくらいのポテンシャルはあるという目安にはなる。にしても、一月丸々一ヶ月ブランクが空いてしまってから、どうもショットが強い。オーバーランの嵐でなかなか繋がらないこともしばしば。23日にもう一回練習できるから、そこで調整したい。


 二月十六日(木)
 イイイイイイイイイイイイハアアアアアアアアアアアアアア!

 原稿送った! 原稿送ったぞ!! やったああああああああああ!!!!

 いやー、今回はすっごい修行になった。なんつーか、レベル20くらいでメタルキングのパーティをまとめて倒した気持ち(しかも会心の一撃ナシでな)。これを書いてる今も、レベルアップのファンファーレ鳴りまくり。まだ、校正やらなにやらあれこれ作業は残っているが、とりあえず今日からは布団で眠れるぞ。素晴らしい!

 ここ二、三週間は、40時間ぶっ通しで作業とか、しょっちゅうだった。酒もスヌーカーもなにもかもぜんぶ棚に上げて、とにかく、短い作業期間の中で、できるだけ高いレベルに仕上げようと、ほんとによく頑張った。自分を褒めたい。あと、手伝ってくれたフェロー・アカデミーの堀江さん、西村さんも、非常にいい仕事をしてくれた。おふたりの助力がなかったら、正直無理だった。今度、一杯おごりまっせ。

 とにかく、これで休みとは行かないまでも、グンと楽になった。来週は岡山で試合があるし、仕事をしつつ練習の日々に戻るとしよう。いやー、ホントによかった。なんか、体重が30キロくらい減った気がするくらい気が楽になった。

 おそらく刊行は今年の春。刮目として待て!

 こういう時にぴったりな曲といえば、俺的には間違いなくScriptの『君だけのストーリー』だな。嫌味なくらいさわやかな曲だぞこの野郎! パソコンで流してると、モニタから春風が吹いてくるみたいな曲だ。髪がなびくぜ!


 二月十六日(木)
 明け方に、加藤登紀子のCDでひとときの休息。な、和む……。NYで開かれた彼女のコンサートでは、現地に赴任中のサラリーマンたちから鼻をすする音が絶えなかったそうだが、そりゃそう。この声で「もうがんばらなくていいんだよ……」なんて言われたら(実際言ったらしい)、今の俺なら確実に泣く。


 二月十五日(水)
 前の日3時間しか寝てないとはいえ、3時間睡眠のつもりがうっかり12時間寝てしまい、大ピンチ。やばいぞ。予定のペースにぜんぜん追いつかず。これは……。でもがんばる。


 二月十四日(火)
 徹夜のまま午後一時まで仕事をし、三時間だけ眠り、夕方に起きてまた仕事。締め切りは木曜日と言っても、木曜の日中に入れればいいと思っているので、実質、まだまだ丸二日ある。あと一息。もう、疲れているという自覚もあまりない。これは初めての感覚なのだけど、今の俺はただの機械だ。機械的に仕事をし、機械的に寝て、機械的に食事をし、機械的に仕事をする。すべてが作業を効率よく進めるためだけにプログラミングされた機械だ。ときおりこうして関係のない文章を書いてみると、自分は自分というひとりの人間であったと感じ、ぎょっとさせられる。正面に置かれたテレビの消えた画面に、眼鏡をかけた間抜けな男の顔が、ぼんやりと写っている。
 どうしても仕事が進まなくなってコタツで寝ている間に、短い夢を見た。俺は一匹の海亀になっていて、ゆったりとヒレを広げたまま、目を細く開け、深い海を滑るように泳いでいた。海はよく凪いでいた。俺は深度でいえばちょうど海面と海底の中間あたりを泳いでいて、頭上からは網の目のように陽光が射し込んでいた。海底ではゴツゴツとした岩肌の上でその陽光がゆらゆらとフラダンスを踊っていた。岩場の陰でなにか小さな動物が砂の上を移動したりするたびに砂煙がふんわりと舞い上がり、その砂煙を陽光が映し出すと、オーロラのようにゆらめく光の壁ができあがった。
 俺はただ静に泳いでいた。なにもかもが果てしなく、なにもかもが幻のようだった。突然、俺の意識が人間のそれへと立ち返り、俺はほんの一瞬はっとさせられたが、俺を煩わせるあれやこれやはなにもかもがすべて、俺という人間に宿る魂の本質からは遠く離れたところにある、本当はどうでもいいものばかりなのだと感じ、またゆっくりと目を細めた。自分が海亀などではないということも、なぜか俺は分かっていた。だが、そんなこともどうでもよかった。俺はそもそも人間ですらない。俺は人間であり、海亀であり、ツバメであり、カモシカである。そんなことは、どうでもいいことなのだ。
「ああ、神様」
 俺は神などというものの存在を信じていたわけではないが、俺の力の遠く及ばない、大きな宇宙の意志に向けてそう呼びかけた。それ以上、言葉はなにも続かなかった。その言葉だけが、俺の心の声だった。俺は深く、海溝が口を開けている上をゆっくりと飛び越しながら、首を上に向けて海面にたゆたう光の網を見上げた。大きく細長い船の腹が斜め前方に黒々と、まるでピーナッツみたいに見えていた。物好きなイルカの群れが、船のスクリューが立てる水泡と戯れるかのように、せわしなく飛び跳ね、じゃれついているのが見えた。


 二月十三日(月)
 作業は続くよどこまでも。

 気の遠くなるような推敲の嵐。一度推敲してある原稿の、最後のブラシアップ。ブラシアップは、途中までやりかけたら最後までやり抜かなくちゃいけない。どんなに些細なブラシアップでも、ブラシアップというからにはブラシアップされる。やった部分とやっていない部分の間には、差が出てしまう。一度やり始めたら、とにかく最後までやれ。それがブラシアップだ。今回は、念のため最後にもう一回ブラシアップしようと思ったら、その最後の一回が長引き、締め切りを延ばしてもらうに至ってしまった。でも、手応えはある。このレベルの原稿になれば、後にかかる時間は少なくて済むはず。結局、今やるか後でやるかの違いなんだと思う。
 そして、残すところあと200ページ。期限は木曜じゅう。なんとか間に合うか。今回は訳そのものをずいぶん人に手伝ってもらったのだが、文体をそろえるのにはかなり入念な推敲が必要になる。だが、木曜にメールを書き、原稿を添付し、送信ボタンを押し、「送信トレイ(1)」という表示が「送信トレイ」になった瞬間、どんなにか気持ちいいだろうかと思うと、今からその瞬間が待ちきれない。雄叫び確定の瞬間だ。
 ただ、今回は手伝ってくれたふたりの方がかなり文章の書ける方で、大助かり。正直、お願いした段階では全文自分で書き直さなくてはならないかと思っていたのだけど、そうでもない。「表記だけ統一したらあとは丸々スルー」という部分も割と多かった。でも、手伝ってもらったらけっこう楽なのかなと思ってウキウキしていたのだけど、ぜんぜんそういうわけでもない。結局、細かく見なくてはいけないのは同じ。それでもまあ、ぜんぶ一人でやるよりは楽だけど。

 ちなみに今やっているのは『THE GAME』という本。アメリカで出版された、500ページにもわたるノン・フィクション。ものっすごく面白い。でも、とにかく疲れる。著者が本気で書いているんだという迫力があり、それだけで疲れる。文筆家として、こういう勝負ができるのは嬉しいことだと思う。あらゆるものを、そう、スヌーカーさえもを犠牲にし、この著者のためにいい仕事をしたいという気持ちがふつふつと湧いてくる。苦しいが、幸せな瞬間だと思う。
 ここしばらく、睡眠といえば二時間刻みの仮眠をコタツに座ったまま取るくらいだ。食事も、日に日にグレードが落ち、もはやカップ麺かポテトチップスくらいになった。でも、それでいい。そういう仕事だ。もっとスマートにやってのける翻訳者だって当然いるのだろうが、俺はそのひとりじゃない。とにかく、あと三日。それが終われば、ようやく自分に戻ることができる。


 二月十二日(日)
「よく考えたら、終わる量じゃないじゃん」ということで、締め切りを伸ばしてもらう。木曜日になった。ということで、月、火、水と、あと三日作業できる。それならば終わる量だ。男の腕まくり。とりあえず、ここまで来たらとことんやろう。で、念願の冬休み取るぞ。

 夜七時に目が覚めてみたら、今井メロがガンガングイグイ終了した後だった。

 ファミリーマートで弁当を買うと、決まって「温められますか?」と訊かれる。あれ、マニュアルでそうなってるんだろうけど、敬語としては間違ってるんじゃないかといつも思っている。普通に「温めますか?」「温めましょうか?」でいいんじゃねぇの?


 二月十一日(土)
 日付が日曜日に変わったところで、大きな山を越える。おっしゃ! これで日月と推敲の嵐をこなして、月曜深夜に初稿を送信。これでとりあえず、二週間くらいは休めそう。ああああああああ。ホッッッッッッッッッとした。まあ、土日も馬車馬のように働かなくてはならないことに変わりはなく、残っている仕事の量も尋常じゃないのだけど、それでもとにかく、創造力をガンガン働かせなくてはならない地獄からは脱出。機械的な作業になる。今までに比べればまだ楽な仕事だ。ちょっとやる気出てきた。

 こないだ、なかなかこの仕事のことを理解してもらうのは難しいということを人と話した。「そりゃー、宿命みたいなもんだよ」と言われた。そうなんだろうな、と思う。まあ、しょうがない。人は、実感のあること以外はほとんど想像することしかできない。想像ですら、自分の体験を元にするものだ。翻訳者というのは、本当に特殊な仕事だと思う。翻訳を任されたら、仕事が終わるまで、自分自身として生活することは許してもらえない。変な仕事だな。

「翻訳は、不可能です」と、昔ある人に言われた。まったくそのとおりだ。僕は著者と同じ体験はしていない。翻訳者には、著者に対して「自分で大変申し訳ないが、あなたの作品を僕の経験を通して作品にさせていただきます」という、慎ましさみたいなものがとても必要だ。

 ちょいと私信

Tony, thanks a lot for sending me the message. I have lost your contact and I can't write you back. Could you remind me what your e-mail address is?
I hope you visit this website again and find this message.


 二月十一日(土)
 締め切り前のトラブル続き。「おいおい、こんなときになんでまた……!」ということが多発しているここ二、三週間ですが、本日新たにひとつ追加。座椅子ぶっ壊れる。作業中、いきなり「バキッ」という音とともに背もたれが後ろに倒れ、二度と戻らなくなってしまいました。いったいどうすりゃいいんだ……。もう店が開いているような時間じゃないので、新しい座椅子を買いに行くこともできず。近所にこの時間でも座椅子売ってるようなところなかったかな……。ないな……。諦めて、今日は背もたれ抜きで仕事するしかない。明日外に出るから、そのときに買ってこよう。それにしてもツイてない。あと二日もってくれるだけでよかったのに……。

 と思いきや、ふと思い立ってすぐ近くの西友に行ってみたら、座椅子あった! あったよ! ありがとう西友! ありがとう座椅子!

 というわけで、むしろ快適環境。座椅子の背もたれって、気づかないうちにどんどんへたってるもんなんだなと、新品の座椅子は教えてくれました。背筋シャッキリ。


 二月九日(木)
 なんか、すっかり五月だとばかり思いこんでた。疲れだな。

 三月か四月かに発売になる『タイム・セラー』の一回目の校正が最近終わり、息つく間もなく翻訳作業。もう一息、もう一息、と思いつつ、なんかもう英語に拒否反応が出てしまい、作業が遅い。ギリギリで間に合うペース。やばいぞ。ここまで仕事でせっぱ詰まるのって、23歳のときのデビュー戦以来じゃなかろうか。なんかストレスに任せてヤフオクで細かいものをちょいちょい買ってしまう。スニーカー増えた。それはそれで嬉しいけど。PUMAのやつがめちゃくちゃかわゆい。ただ、履いて出る機会がなし。仕事終わったら存分に履くつもり。ほんと、家から出てねぇな。十二日の予選までには、ある程度めどをつけておきたいところだけど、ついてなかったら、予選不参加はやむを得ずだ。

 眠気覚ましのモカドリンクとリゲインを買いに行ったコンビニにて、ふとブリーチ液を見つけ、どうしても髪を染めたくてたまらなくなる。ストレス発散になるなら、なんだってやってやる。そう思い、購入。帰宅してからパッパと液を作って頭に塗りつけ、30分ほど仕事してから洗い流すつもりが、すっかり一時間くらいほったからしになってしまい、洗ってみたら、すげー色。気分はすっかり足立区だ。


 二月五日(日)
 はあー。なんのためにがんばってんだろう。
 俺もう疲れた。でもやんなきゃなー。

 吐き気がやまない。


 二月四日(土)
 なんか毎日大差ないことしか今は書けないので、ジョークをひとつ。


 三人の兄弟が無人島に流れ着いた。
 そこで兄弟は魔法のランプを発見し、それぞれ一つずつ願いを叶えてもらうことにした。

 長男「家に返してくれ」
 長男は飛んでいった。

 次男「家の風呂に入りたい」
 次男は飛んでいった。

 同じ願いは使えないので三男は「二人の兄弟に会いたい」と頼んだ。


 二人の兄弟が飛んできた。


 二月二日(木)
 ネットで「翻訳学校で文章の書き方を教えてくれない」という誰かの意見を読んで、ちょっと頭に来た。これは逆に言えば、文章が書けない人が翻訳家を目指しているということだ。間違ってるなー、と思う。翻訳家になろうという時点で、文章がちゃんと書けてなくてはいけないし、仮に書けていないとしても、「学校で教えてくれない」なんて言ってる時点でダメだ。見本なんて、書店行けばいくらでも転がっている。そういうのを買って片っ端から読み漁ったり書き写したりしてれば、文章なんて自然と書けるようになる。そんなこと、本気で目指してるのならば真っ先にやっててもおかしくないんじゃない?
 つか、たかだか週一回の授業でちょっと習っただけで文章が書けるようになるなら、誰も苦労しない。これはすごく当たり前のことだけど、なのに「学校で教えてくれればなあ」って言えてしまうのは、つまり、文章を上手くなろうという努力を今までにしたことがない証拠。F1とかを見て「ぐるぐる同じコース回ってるだけじゃん」とか言っちゃったり、手品を見て「種さえ分かれば俺にもできるよ」とか言っちゃったりしてるのと、まったく変わらない。「翻訳家を目指してます」なんて口にするのもおこがましい、ド素人の意見じゃんな。

 とか言ってみるよ。


 二月一日(水)
 うわわ。二月に入ってしまった。ちょっとなんか体力やばいのか、寝たら起きられない。「二時間だけ寝る」ということができなくなっている。がんばれ俺。

 最近「湧く」と「沸く」の誤字が異様に多くなっている気がする。僕は昔っから誤脱字にはうるさいのだけど、最近やたらとこの誤字が目につく。というわけで、せっかくなので解説しておきたい。
「沸く」は、「湯が沸く」「会場が沸く」という「沸く」であって、これを「興味が沸く」「好奇心が沸く」などと感情などに用いるのは誤字。興味や好奇心は、泉が湧いてくるように、元はなかったところから「湧く」のである。つーか「字をよく見て意味を考えりゃ分かんだろうが」とか思うのだけど、人ってけっこう漢字の意味には無頓着なんだろうな。

 アスペクトという出版社より、新しい訳書『話すヒント』が発売になりました。よろしければ、書店などで探してみてください。