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 十二月二十八日(土)
 明川哲也さん、兄のマリオさん、編集のSさんとともにヒラメ釣り。僕は三人とは別に、二十七日の早朝二時に高田馬場を出発。午前四時ジャストに、千葉県の大原漁港に到着する。僕はけっこう乗り物酔いしやすいタイプなので、この時点でもうすっかり不安。四時半ぐらいになってから、明川さん、マリオさん、Sさんが到着。立ち話をしていると、僕より先に到着していたゲージツ家のKUMAさん、こと篠原勝之さんが、仮眠していた車の中から出ていらした。お会いするのは今日が初めて。KUMAさんチームは、あとお二方。全員そろったところで完全防寒開始。背中にホッカイロを貼り付けて、買ってきたスノボのウェアを装備。雪山でも大丈夫なウェアなのだから、海でも平気だろう。

 午前六時ぐらいに出航。海は凪ぎだとのことで、船酔いについても一安心。と思いきや、沖に向かうにしたがって、波はどんどん高くなる。まだ太陽ののぼらぬ海原の向こうから、黒々とした山が迫ってきたかと思うと、船はあっと言う間にそれに乗り上げる。二階三階から落ちるのではないかと思われるほどの落下に続いて、頭の上からザバーンと塩水をかぶる。波間に揺れる木の葉のようとはまさにこのこと。「ぜんぜん凪いでないじゃん! ぜんぜん凪いでないじゃん!」と心の中で繰り返し叫びつつ、でもけっこう平気。
「お、なんだ。これはけっこう大丈夫そうだぞ」と思った瞬間、下半身すべてから込み上げてくるかのような、強烈な吐き気に体を突き上げられ、思わず船のへりにしがみつき、海へ嘔吐。そういえば「オートボーイ」というカメラがあったが、それは今は関係ないかな。
 二度ほど吐いてから、今度は本格的な吐き気が到来。船のトイレで便座とお友達。胃の中のものをすべて吐き出したら、もう立っているのもキツいような状態になり、船のキャビンで横になって休む。その間にも、船はハンパない揺れ。「うわあ、こりゃーもう無理だ……誰かタクシー呼んで……」と、朦朧とする意識の中でうわごとのようにつぶやきつつ、そのまま釣りが終了。結局、一度も釣り糸をたらさぬまま、屈辱の幕引きとなった。

 夜にはすっかり具合が回復していたので、明川さんの釣られたマトウダイや、KUMAさんの釣られたハタなどをおかずに宴会スタート。酒も肴も会話もすべて美味。とはいえKUMAさんたちは翌朝五時半にふたたびチャレンジだし、僕たちは僕たちでほとんど徹夜なので疲れ切っていたので、午前0時を待たずに宴会も終了。それにしても楽しかった。釣りができなかったのは残念だが、あの海を経験できたのはちょっと大きい。負け惜しみだけどね。どうせ。


 十二月十三日(木)
 道を歩いていたら大きな蛇と遭遇した。
俺「ど……毒持ってる?」
蛇「Yes, I have」

(「have」と「ハブ」がかかっている)


 十二月五日(水)
 完全に職業柄だと思うのだが、誤脱字が非常に気になる。たとえば「気づく」が「きずく」、「片付ける」が「かたずける」などと書かれているのを見ると、なんとも言えないようなイライラした気持ちになる。この感覚は説明しがたいものがあるが、たとえば車で走っているときに、前を走っている車のトランクについている鍵穴のフタがズレたままになっているのに気づいてしまったような気持ちだ。閉めたい! でも届かない! わざわざ降りていってぴったりとはめてあげてわけにもいかないのは分かっているが、それでも気になって気になってしかたない! そんな気持ちになるのだ。

 同様に気になるのが、カタカナ英語の誤表記である。変わらぬスリートップは「big」を「ビック」、「bed」を「ベット」、「bowling」を「ボーリング」である。以前、行きつけの居酒屋のメニューで本来は「ビッグつくね」のはずのものが「ビックつくね」と表記されており、しばらくは言わずにいたのだが、メニューを見るたびに気になって気になってしかたがなくてそわそわしてしまうので、ついに「ビッグにするか、そうでなければ、どうしても「ク」が譲れないのであればせめて『ビックリつくね』してはくれまいか」と進言し、直して貰ったことがある。逆に「ビックカメラ」を「ビッグカメラ」と書かれてしまうと、これも気になって気になってしかたないのである。「ベット」もまったく同系統。
 そしてやはり「ボーリング」である。ボーリングとは「穴をあけること」である。地質調査や地下資源の採取などのために地中深くに細い穴を掘ることである。また、金属板にドリルで穴をあけることも「ボーリング」という。が、十本のピンをボールを転がして倒すのは、断じて「ボーリング」でないのだ。たぶん「ボールを転がす」というのが効いて「balling」だと思われているのだろう。こんな実話がある。どこぞのボーリング業者が駅前に看板を出したところ「何レーンありますか?」という問い合わせの電話が何本もかかってきたというのだ。僕はボウリングはやらないのだが、友人などから「ボーリング行かない?」だとか「ボーリングに行ってきたよ」というメールが来ると「お、どこ掘りに行くの?」「お、なんか出た?」と返すようにしている。あんまり通じない。

 気になるといえば、外来語と日本語の意味の重複を非常に気になる。特に、テレビ番組などで「エントリーナンバー7番!」とか言われると、もうブチ切れである。これは「エントリー7番!」か「エントリーナンバー7!」になるはずで、「エントリーナンバー7番!」は、思いっきり重複である。これで「あーもう」と思ってしまうと、その言い回し自体にイライラすることもさることながら、なんとも心の狭い自分に対して非常に嫌な気持ちになるので勘弁してほしいのである。

「えー、分かればいいじゃん」
「ですよねー」


 十二月二日(日)
 アダムカップ終了! 結果はベスト8と平凡な結果に終わってしまったけれど、とにもかくにも、非常に収穫の多い試合だった。というのは終始、自分の思い描くほぼ最高のタッチが出せたことだ。ゆっくりキューを振って、重い球を出す。これがずっとできていた。一回戦で、関西のナンバー1、田中選手を圧倒できたことは自信につながった。来年に向けてすごくいい感触を掴んだ。

 来年は、俺と遠藤選手でなにか起こすよ。ご期待あれ。