十二月五日(水)
完全に職業柄だと思うのだが、誤脱字が非常に気になる。たとえば「気づく」が「きずく」、「片付ける」が「かたずける」などと書かれているのを見ると、なんとも言えないようなイライラした気持ちになる。この感覚は説明しがたいものがあるが、たとえば車で走っているときに、前を走っている車のトランクについている鍵穴のフタがズレたままになっているのに気づいてしまったような気持ちだ。閉めたい! でも届かない! わざわざ降りていってぴったりとはめてあげてわけにもいかないのは分かっているが、それでも気になって気になってしかたない! そんな気持ちになるのだ。
同様に気になるのが、カタカナ英語の誤表記である。変わらぬスリートップは「big」を「ビック」、「bed」を「ベット」、「bowling」を「ボーリング」である。以前、行きつけの居酒屋のメニューで本来は「ビッグつくね」のはずのものが「ビックつくね」と表記されており、しばらくは言わずにいたのだが、メニューを見るたびに気になって気になってしかたがなくてそわそわしてしまうので、ついに「ビッグにするか、そうでなければ、どうしても「ク」が譲れないのであればせめて『ビックリつくね』してはくれまいか」と進言し、直して貰ったことがある。逆に「ビックカメラ」を「ビッグカメラ」と書かれてしまうと、これも気になって気になってしかたないのである。「ベット」もまったく同系統。
そしてやはり「ボーリング」である。ボーリングとは「穴をあけること」である。地質調査や地下資源の採取などのために地中深くに細い穴を掘ることである。また、金属板にドリルで穴をあけることも「ボーリング」という。が、十本のピンをボールを転がして倒すのは、断じて「ボーリング」でないのだ。たぶん「ボールを転がす」というのが効いて「balling」だと思われているのだろう。こんな実話がある。どこぞのボーリング業者が駅前に看板を出したところ「何レーンありますか?」という問い合わせの電話が何本もかかってきたというのだ。僕はボウリングはやらないのだが、友人などから「ボーリング行かない?」だとか「ボーリングに行ってきたよ」というメールが来ると「お、どこ掘りに行くの?」「お、なんか出た?」と返すようにしている。あんまり通じない。
気になるといえば、外来語と日本語の意味の重複を非常に気になる。特に、テレビ番組などで「エントリーナンバー7番!」とか言われると、もうブチ切れである。これは「エントリー7番!」か「エントリーナンバー7!」になるはずで、「エントリーナンバー7番!」は、思いっきり重複である。これで「あーもう」と思ってしまうと、その言い回し自体にイライラすることもさることながら、なんとも心の狭い自分に対して非常に嫌な気持ちになるので勘弁してほしいのである。
「えー、分かればいいじゃん」
「ですよねー」
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