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2008 01 02

 三月二十一日(金)


 いよいよ、二十六日に『シークレット・オブ・ベッドルーム』(アーヴィン・ウェルシュ著)が、エクスナレッジより発売される。一昨年の秋ぐらいからずっと作業をしてきた本だったし、ものすごく楽しみ。去年の一月も、タイでディビジョン2の試合を戦いながら翻訳していたっけ。それにしても、ボリュームのある本になった。500ページオーバーって、かなりの読み応えだと思う。内容もぶっちぎりで面白いので、ぜひぜひどうぞ。

 高田馬場のan-jiにて、兄のマリオさん上々颱風のエミちゃんとお食事&お酒。以前から引き合わせたかったふたりだったが、会ってみると、やはり楽しい。an-jiのがっちゃんも相当おもしろいやつなので、自動的に死ぬほど楽しい夜になった。それにしても、エミちゃんと初めて会ったころの彼女の年齢に僕がなっているんだな。知り合って、もう十年になる。不思議な縁でございます。

 さてさて、日曜日には久しぶりの予選がある。なかなか調子がいいだけに、いい結果を出して通過したい。明日は午後から練習に行こうかしらね。


 三月十六日(日)
 夜から三時間ほどスヌーカー。相変わらず、いい感じは続いている。これは、ちょっと進歩したのだとそろそろ自信を持っていいだろう。大きいブレイクは出なかったが、安定感のあるショットが以前に比べて格段に増えている。どうまとめあげてブレイクに繋げていくか。力加減を身につけていけば、さらに進歩しそう。「あー、成長したな」と感じるのはほんとに久しぶり。やっててよかったスヌーカー!

 最近よく思う練習のコツは、流れを意識してポットすることだと思う。たとえば苦手なフリの球は、一回ずつ球を置いてそのフリばっかり練習するのではなく、球を三つくらい用意して、まずひとつ入れ、次に苦手なフリの球を入れながら次の球へとポジションする。そうやって流れを意識した練習を取り入れていかないと、実際のブレイクビルディングの時にはなかなか役に立たないように思う。確かに球が増えれば配置するのが面倒くさいが、多少面倒くさい思いをしても、それで入る球がひとつ増えるのであれば儲けものである。

 ポットの練習は、英単語の暗記とよく似ている。単語ひとつの意味をいくら憶えたところで、例文をいくつも暗記して文脈で憶えていかないと、会話の中で使える単語にはなってこない。ポットの練習も、まったくこれと同じである。基本となる例文をいくつか憶えておくと、いろんなケースに対応できる応用力が身についてくる。長文を書く力が、ブレイクビルディングの力だ。


 三月十五日(土)
 孤独が怖いから、あなたと同じものを好きになりたい。孤独が怖いから、あなたの分かるものを自分も分かりたい。孤独が怖いから、あなたが感じているその気持ちを自分も理解したい。孤独が怖いから、頼りにされたい。愛されたい。優しい言葉をかけてもらいたい。誰かに慰めてもらいたい。誰かに認められたい。誰かに褒められたい。注目されたい。面白いやつだと思われたい。
 孤独が怖いから泣きたい。叫びたい。何かを壊してしまいたい。どこかに旅に出てしまいたい。もうこのまま消えてなくなってしまいたい。酒に溺れてしまいたい。孤独が怖いから、孤独を恐れて情けないことをやっている人たちを否定して、自分はそうではないのだと思いこめないものだろうかと下らないことを考えもする。

 だけどそんなことをしてもその馬鹿馬鹿しさを自分ではよく理解しており、すべきことはたったひとつしかなく、自分の胸の中に根を下ろしている孤独というものの正体をすべて表してしまわないことにはどうしようもないのだということも、また分かっている。
 それを成し遂げたときに、胸の中に潜む孤独を中心に世界はひっくり返り、孤独だからこそ人を愛し、孤独だからこそ人と分かち合うことができてゆくはずだ。今はただ向き合うべきとき。瞬間瞬間楽にしてくれる弱い麻酔を打ち続けながら堕落した日々を送ることよりも、ただじっと向き合い、こいつを引っ張り出し、隅々までよく観察し、料理してしまわなくてはならない。それが理性というものであり、理性のない人間はきっと人も自分も傷つけるだろう。

 いちばん恐ろしいのは、何かを恐れようとする自分の心。


 三月十一日(火)
 スヌーカークラブで練習。先週の絶好調が一時のものなのか、それともそうではないのかドキドキしながらフレームを撞き、ハーフ・センチュリー2発。これは、ついに来たかもしれん。来週また確認するまでは安心できないけど、どう考えたって球が入るようになっている。しかし、いつ入らなくなるか分からないのでビクビクだ。

 深夜零時過ぎから、東海のプレイヤー、鷲見さんと酒。友遠方より来たるあり。今日だけは酒も解禁。


 三月十日(月)
 広川太一郎氏が亡くなったかと思ったら、今度は元レピッシュの上田現氏が死去。僕が中高時代に憧れた人たちが次々と亡くなってゆく。なんだか、そういう歳になってきたんだなあ。不思議な気分。僕はいったい、いつどういう死に方をするんだろう。明日かもしれないし、数十年後かもしれない。


 三月七日(金)
 大好きだった広川太一郎氏が死去。けっこうショック……。高校時代に彼のモノマネを始めて早いものでもう十六年。今でもやっているくらい好きなのだが。ちなみに、ムーミンのアニメ版でノンノンのお兄さんをやっていた人。とにかくアドリブの面白い人で、洋画の吹き替えなどが広川太一郎氏だと、とにかく面白かった。例えば、登場人物がくるっとこちらに背を向けるシーンなどがあると、口の動きもなにも関係なくなるものだから、ここぞとばかりにアドリブを入れまくるらしい。それが本当に面白い。まだ六十八歳だったのだそうだ。

 ウチのマンションは日当たりゼロなので、けっこう寒い。今年の冬のさなかにコタツが壊れ、コードが断線しているのではないかと思い取り寄せてみたりしたが(なんとコード一本一万円!)結局直らず、新しくコタツを買った。今日届いてさっそく使っているのだけど、やっぱりコタツは最高だな。あったかいあったかい。前のコタツみたいに手元で温度調節とかできないけど、代わりに足もとでできるからいいや(布団めくって空気入れたりしつつ)。にしてもニュー・コタツはちょっと高いな……。こりゃなんか対策とらないと腱鞘炎になるわ。

 人としてひとまわり大きくなるために目標を立てている。「人の意見を否定しない」「人に意見を押しつけない」「自画自賛しない」「自分のことを説明しない」がその四つ。合い言葉は「あなたのおっしゃる通り。私は見てのとおり」。小林秀雄の受け売りだけどね。こういうスタイルがいちばんカッコいい。理解を求めるから理解が成り立たないのが苦しくなる。人が理解しないのは自分が不十分なせいだと思い、人には求めず、にこにこしながら自分を変えてゆける人間になれたらいい。たとえおかしいことがあったとしても、それはおかしいと感じている自分がおかしいのである。なーんて自分のことを説明しちゃってる気もするけど、ここはまあご愛敬。

 昨日は久しぶりに、スヌーカーの福田正平選手に会った。僕よりふたつか三つか年下だったかな。彼も今ダイエット中で、一時期は僕よりもでかかったのに(横幅的に)今は62kg台にまで落ちているという。確かに別人だ。負けられないぞ。


 三月五日(水)
 禁酒週間スタートッ! 本日からとりあえず二週間、酒やめます。飲み屋には行くけどね。酒を減らしたりすることは大丈夫だったけど、断つというのは果たしてどうなのだろう。まあ、十一日は飲まざるを得ないので、その日だけは許すとしよう。

 ネットの各方面で議論をかもしている、mixiの新しい利用規約。mixiに投稿された文章の著作権が著者ではなくmixiに帰属するという、なんとも乱暴なもの。こんなバカにした話もないので、正直、退会も考えている。過去の日記はとりあえずすべて削除した。まがりなりにも文章で生活をしている身として、どんな駄文であろうと人に著作権を譲るということはできない。四月から施行されるのだとかで、それ以前に入会していたユーザーには関係ないのかと思っていたら、過去のユーザーにも適用されるらしい。規約に同意する意味ないじゃんね、そんなの。いったいなんなのよ、mixi。退会も視野に入れて問題の行く末を見守りたい。


 三月四日(火)
 久々のスヌーカー。気分はよくなかったが無理矢理出かけてみたら、いいことはやはりある。球がとにかく入る。50、46、42、40、さらに30オーバーが5発。今まででいちばん球入ったかもしれん。スヌーカークラブでハーフを出したのは初めてだから、とにかく嬉しい。一発出たし、続けて出るようになるかもしれない。ここまで「気づけばモンキー」という状態で撞けたのは初めてじゃないかな。まあ、単に調子が良かったというだけのことだろう。これがスタンダードになってくれたらそんなに楽なことないんだけど……。

 ダイエットだけど、なんか軌道に乗ったというか、あんま無理しなくてもちょこちょこ体重が落ちるようになってきた。明らかに体質が変わり、新陳代謝が上がって汗をかきやすくなった。この間、深夜にガルーダでタバスコみたいな辛いソースをかけてピザを食べていたら、前まではなんともなかったはずが、球のような汗をボタボタかいてしまった。現在、65kg台前半をキープ。日によっては64kg台のときもチラホラ出てきた。ダイエット始めてまだ一ヶ月半だけど、まさかここまで落ちてくれるとは。
 体質云々もあるだろうけど、基本的に「痩せない」というのはただ単に楽をしようとしているだけなんじゃないかなと思った。少なくとも、自分についてはそうだった。こんなに簡単だとはな。太り続けたこの四年間が嘘みたいだ。とりあえず二年前の体重にまでは戻したぜ。お気に入りだったスーツが再び着られるこの嬉しさときたら! こうなったら、敢えて50kg台に目標を設定してみるか。いや、それはさすがに無謀か……。でも、今腹についている肉が落ちたらそのくらいにはなりそうな気もするんだが……。挑戦してみる価値はあるだろうか。今回を逃したら、この人生で今後体重が60kgを切ることは二度とないであろう。


 三月二日(土)
 人のことを自分の所有物のように言う男と夜中の二時半に話す。「俺は」「俺が」と自分の話ばかり。そんなもん知るか。彼女の携帯電話をこっそり見るような男が何を言っても、まったく説得力がない。携帯を見るのは立派な犯罪。恋人に犯罪行為を働いている身分で、よくまあ自分の権利ばかりを主張できるもんだとある意味関心した。携帯盗み見る時、人として恥ずかしくならなかったのだろうか。そんな自分だから信頼を得られないのだとは、考えないのだろうか。そうは考えないんだろうな、あの口ぶりじゃ。感情論にまかせて生きていると、きっとああいう自己中な人になってしまう。俺も感情的になりがちな人間だから、気をつけなくてはいけない。

 タケたちは、早朝六時より日帰りでスノーボードに行くので、閉店後の店内でいそいそとボードのお手入れなどをしていた。俺はカウンターで酒を飲みながらその様子を見つめていた。スノーボード、やりたいやりたいと思いつつ五年以上過ぎたか。たぶんやる気がないんだろう。最近は、いろんなことに対してかなり無気力になっている。スヌーカーも、二週間に一回くらいしかやっていない。気持ちがくたびれている。よくない傾向だ。