2004 04 05 06 08 09 12
2005 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2006 01 02 03 04 05 07 08 09 10 11
2007 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2008 01 02 03

 四月二十七日(日)
 第二回東日本グランプリ決勝が行われ、G1の試合では初の3位タイ。ここ二週間弱は球なんてまったく撞いていなかったので最初っから「今日は初戦敗退だろうなあ。むしろ棄権すっかな」と諦めていたので、思いがけない結果に嬉しくもあり、複雑でもあり。好成績だが、球が入っていたかというとまったく入らず、内容的には最悪。よくまあベスト4まで残れたものだ。六月頭にはいよいよ全日本選手権が始まる。それまでにうまいこと調整しておかないとだ。それにしてもほんとボコボコはずした。恥ずかしいくらいはずした。でも銅メダルもらって嬉しい。

 さてさて、これであとは月末まで仕事バリバリやらんとな。二日間休んでしまった。


 四月二十五日(金)
 危機感を覚え、ようやく一年前から考えていた計画に着手。部屋の片付けである。ここ最近またまた我ながらよーやるわというスケジュールで働いているわけだけど、そうなると、ただでさえ片付けなんてやりゃあしないのにますます部屋は散らかるばかりで、気づいてみれば床面積の半分以上が本だとかCDだとか洋服だとかに占領されちまってる始末で、こないだなんて急いで玄関まで向かう途中でTシャツ踏んづけて後ろ向きに転んでしまったりする有様。これはさすがに体によくない。というわけで、とりあえず捨てちまおうと。もう色々捨てちまおうと。どうせいつも、デスクに座って周囲1メートル四方の物だけで事足りてるじゃありませんかというわけで、捨てちまっても問題ないものばかりに囲まれているのも現代人らしくてかっこいいのになとか思いつつ、捨てるものの選別を始めたわけです。

 捨てるものは、まずイギリス時代の荷物。語学学校や大学院で取ったノートだとか写真だとか論文だとかあれやこれや入っているのだけど、帰国してから七年(七年!)ただの一度も見返してノスタルジックになったような経験ナシ。というわけで、これはもうまとめて全部捨ててしまおう。俺は過去に縛られない男だ。
 次にCD。CDなんて滅多に買わないのだけど、時々一枚100円とかでセールしてるとごっそり買い込んでくる。で、一回くらい聴いて「やっぱ100円だわい」と納得してあとはもう匂いすら嗅がぬ。そんな段ボール一箱分のCDは、全部捨ててしまうに限る。
 で、あとは本だな。読み返さない本のなんと多いこと。本棚の前に立って背表紙を眺めているとなんとなく惜しいような気になってくるが、読まない本などただのお荷物なのである。本は「ああ、シモンさんらしいなあ」という本が何冊か本棚に刺さっていればそれでいいじゃないか。片っ端から縛って、資源ゴミの日に出してしまおう。たぶん、そのくらい捨てるとある程度本棚もすっきりするんじゃないだろうか。今は本棚を三つ置いているのだけど、これをひとつに減らすことが究極の目標。本棚三つて。要らんだろ。

 思うに、子供のころから「洋服を自分でしまう」ということがやったことなかった気がする。いつも母がきれいに畳んでしまってくれていたんだろうか。自分じゃあやったことない。やった記憶がない。だから「洋服をしまう」というアイデアが欠落している。「どうせ着るんだからその辺にぐちゃっと置いときゃいーじゃん」というスタイルで、ひとり暮らしを始めてから現在にいたるまでの二十余年を生き抜いてきたのである。馬場に引っ越してきたから一応やる気を出し、クリアケースみたいな引き出しを四つばかり購入し、クローゼットの中にしまったのだが、あれから丸三年以上が経った現在も、ケースは相変わらず空っぽのままである。自分に子供ができる日があるとしたら、その時は、片付けはちゃんとぜんぶ自分でやらせようと固く誓った。


 四月二十三日(水)
 日が明けて、23日早朝。カラスの鳴く声にふと我に返ってキーボードを叩く手を休め、缶コーヒーを買いに表に出てみれば、薄黄色をした容赦ない朝陽に瞼の裏がズンと重く、痛くなり、俺は思わずぎゅっと目をつぶる。痛みが徐々に目を閉じた暗闇の中に広がり、溶け出し、やがてすっかり消え失せてしまってから目を開けると、やはりまだ眩しい朝陽に俺は眉をしかめ、目を細めながらすぐ近くの自動販売機まで行ってブラック・コーヒーを一本買った。今日もまた楽しい一日の始まりだ。あ、俺は寝るけどね。で、午後には起きてまたデスクに向かうんだけどね。で、どうせうっかり『相棒』の再放送なんて見始めちゃって、それがまた意外に面白くて、うっかり二時間ほど仕事をせずに浪費してしまったりするんだろうけどね。ひとりで「おやおや、いけませんねぇ」なーんて水谷豊のモノマネなんか始めちゃったりしてね。あ、おーい、そっちの部屋に煙草置いて来ちゃったからちょっと持って来てよ。まあ、そんなこと言ったってここには俺しかいないんだけどね。はいはい自分で行きますよ、と。あー、よっこらしょ。へへへ。

 そういや先日、ちょっと雨なんか降っちゃった日に、ちょっと小振りでお気に入りのビニール傘とか持って近所のコンビニにウーロン茶買いに行ったわけです。あ、ウーロン茶っていうのは別に大事な情報じゃないんだけれども、とにかくまあ、買い物に行ったわけだ。これがまた。で、ダイエットなんてしてるもんだから気分だけでも盛り上げようと、サントリーの黒烏龍の1リットルボトルを一本だけ買って「さあ、俺の傘よ」と思って自動ドアの外に出てみたら、金髪のいかにも足りなそうな女が俺の傘を今まさに開こうとしているところなわけだよ。俺は思わず言ったね。
「おい、女」
 その声に女が、いかにも気まずそうに振り向いた。たぶん、タイミングが悪かったら白目でも剥いてるんじゃないかっていうくらいドッキリしちゃって。
「それ、俺の傘」俺は、そいつが握りしめてる傘を指さしながら言ったわけだよ。柄に貼ってある緑のシールとか、まさに俺のビニール傘なんだもの、だって。言うでしょ。
 女はと言えば「あ、すいません」なんて言っちゃって、その傘を俺に手渡せばいいのにご丁寧に傘立てに戻して、隣の傘を手に取ったのよ。ビニール傘な。俺は「いやー、それも君の傘じゃないんじゃないかなあ」なんて勘ぐったのだけど、わざわざ「おーい、疑わしい女がビニール傘を手に取ろうとしているのだけど、これは店内にいるどなたかの傘ではあるまいか」なんて呼びかけるほどの度胸もないビビリなもので、一言「へーぇ」と言うだけ言って、自慢げに俺の傘をバッサと開いて雨をしのいで帰ってきたわけだ。まあ、ジーパンの裾はちょこっと濡れたけどね。これも要らない情報だけどね。
 それにしても「人の物を盗ってはいけませんよ」とガキの頃から教育されているにもかかわらず、ことビニール傘に関して言えばそのガキでも知ってる常識がまったく通用しないらしく「えー、自分の傘がなくなってたら、他のビニール傘でいいじゃん」みたいなことを言い出す輩もいたりする始末で、いったいこの日本はどうなっとるのかとプリプリ怒りながら黒烏龍飲んでたら、そこで俺はハタと気づいたわけですよ。もしかしたら、世の人々にとってビニール傘とは「自分たちが400円という金を支払って全員で共有して、みんなで雨をしのぎましょうねと暗黙のうちに助け合い、譲り合っている財産」なのではないかしらってさ。いや、そんなわけないんだけど、それでもたかだかビニール傘一本でこんな目くじら立ててる自分の度量の狭さに気づいちゃったりして、それはそれで自分はむしろ被害者だというのに何故か嫌な気分になったり落ち込んだりすることもあるものだから、できればビニール傘を盗むのはやめてください。
 で、その緑のシールがついたビニール傘だけど、数日後に入った知り合いの店で、案の定他の飲み客に持って行かれてしまったらしく、俺はまたそこで「くそ、俺も度量が狭いものだよ」と、イラつく自分を責めつつ「いや、俺が悪いわけではないぞ」と馬鹿みたいな無限ループに突入してしまったおかげでもう一軒寄らざるを得ない程度に軽く落ち込んだわけだ。

 これだけだらだら書いておいてアレだけど、今俺が思っていることといえば、分かりやすく書けば下記の通り。

1、ビニール傘を盗むのはやめよう。
2、だったらひとことそう書けばいいじゃん。
3、おかげで睡眠時間が三十分ほど短くなるぞ。

 おやすみなさい。


 四月二十二日(火)
 本来ならば練習日であり、土曜日には東日本グランプリ予選が控えているため、意地でも練習に行きたいところだったのだが、仕事が押しているので仕方なく作業場に閉じこもる。作業用のパソコンを隣の部屋に移して、遊べるアプリケーションは一切排除。意地でも作業せねばいけない環境を作り上げて集中力を高める。意志の弱い自分のようなタイプには、この方法がいい。

 そうそう、ここでちょっとした大ニュース。今月結婚する僕の友人であり、かつてのビリヤードのライバルでもあり、渋さ知らズのフロントマンであり、現在ではゴルフに一生懸命の渡部真一君が、パブリックアマチュア選手権という大会の東日本C地区決勝へと進出。これはすごい。
 かつて、僕がスヌーカーに転向する前は、ふたりでちょくちょく徹夜9ボールで雌雄を決していたものである。懐かしい。渋さのファンの方もそうでない方も、彼の初タイトル獲得を応援しよう。


 四月二十一日(月)
 楽しい酒のおかげか、ここしばらく頭を悩ませていた問題もほぼ解消。とりあえず今は仕事するしかない。計算してみたら、やっぱり締切には間に合わないことになってしまうのだが、それでもたぶん間に合うだろう。

 んで、一昨日わりくんとなぜか深く話し込んだ、銃刀法違反についての話。これはもう、皆さんぜひ知っておいたほうがいい。最近、突発的な殺傷事件が相次いでいることから、銃刀法違反の取り締まりが割と厳しくなっているみたい。たとえば信号無視で警官に声をかけられて職務質問を受け、キーホルダーについていた全長(刃渡りじゃないよ)4センチのスイス・アーミーナイフで御用になってしまった人もいるのだ。ちなみに全長が4センチ未満ならセーフなんだとか。キーホルダーにナイフとかつけてる人は、すぐにはずそう。もしくは、3.9センチ以下の安心なものに取り替えると吉。
 で、びっくりするのがバーベキューなど。「えー、そんな厳しいんじゃバーベキューも無理じゃん」とか思うが、さすがにそこまで厳しくはなく、ちゃんとルールが定めてある様子。それは「まっすぐ行ってまっすぐ帰る」というもの。もし途中で高速のサービスエリアで休憩したり、ファミレスに立ち寄ったりすると、そこから銃刀法違反になるみたい。料理人とかも、包丁を持ってまっすぐ自宅もしくは勤め先に行くのはいいらしいのだが、その途中で寄り道するとダメなんだそうだ。
 あとあれね、カッターナイフね。これも「さすがに持ち歩けないんじゃ困るだろう」ということで、筆箱に入っていれば、銃刀法違反にならないそう。やはり、それだけ厳重にしまわれていれば突発的に取り出して犯罪に使用することが不可能であろうということか。

 これを真面目に議論して決めているというところがすごい。もっと他にないものか。


 四月十九日(土)
 夜まで仕事をして、七時半からScriptの渡邊崇尉さんと、久々にサシで酒。美味しい料理に舌鼓を打ちつつ、お互いの近況などを報告し合い、酔っぱらう。三年前に知り合ってからチョイチョイ飲んでいる仲良しさん。彼と飲むのはいつだって素晴らしく楽しい。今日は、なぜかaikoの話をやたらした。あと、全日空がANAなのは、「Air Line」まで頭文字を入れると「ANAL」になってしまうからではないかということを割と真面目に話したのだが、実は「All Nippon Airways」なのらしい。意地っ張りの俺としては「Air Line」をまだまだ押したい。

 誰かに呪われてでもいるのか最近やたら夢見が悪かったが、今日は久々にゆっくり眠れそうだ。わりくん、忙しい中付き合ってくれて本当にありがとう。


 四月十七日(木)
 五月十九日締切の仕事を進める。もう一本「五月十九日締切で」と仕事を頼まれたのだが、そっちはちょっとだけ日を遅らせてもらうことに。さすがに同日締切で二本同時進行はきつい。とりあえず五月半ば過ぎまでは、黙って機械になるとしよう。試合以外はね。もう一息もう一息。もうちょっと頑張れば、なにか大きなステップがひとつ終わる。

 夜になって、『トンネル』でお世話になり、今回もまた一緒に仕事をしている堀江さんと、打ち合わせを兼ねてお酒。仕事のことに限らずいろいろ話してリフレッシュさせていただく。楽しい夜だった。一時半ぐらいまで飲んでから帰宅。雨がすごい。

「翻訳家ならこのマンガ読みなよ」と、知人から薦められた『よつばと!』が面白い。なぜ「翻訳家なら」なのかというと、主人公のよつばちゃんのとーちゃんが翻訳家さんなのだ。リボルテックよつばとリボルテックダンボーもかなり欲しい。リンク先のページでちょっとだけ読めるので、ぜひぜひどうぞ。


 四月十六日(水)
 今日は行政とやりあって敗北した。

 以前コタツを新調したのだけれど、壊れたコタツを粗大ゴミに出すのがおっくうで部屋の隅に放置してあるのがいい加減ジャマになってきたので、ついに重い腰を上げ、ゴミに出すことにしたのだ。そんなわけで、粗大ゴミ受付センターに電話をかけたのだった。

「すいません、コタツを出したいのだけれど、いくらですか?」
「コタツですと600円になります」女性の声が答える。
「じゃあ600円分のシールを買えばいいですね」
「あ、お待ちください。コタツ板もご一緒に捨てられますか?」
「コタツ板?」
「コタツ布団の上に敷く板です。あれもご一緒ですと、あと200円かかります」
「コタツっていうのは、下半分だけのことなんですか?」
「上はコタツ板です」
「セットで『コタツ』と書かれた段ボールに入ってましたが。800円なのは構わないのですが、でも、コタツと書いて下半分だけ売っているの、ご覧になったことあります? 最初っから『コタツ800円』でいいのでは?」
「少々お待ちください。確認して参ります」

 チャラチャラチャララララー(エリーゼのために)

「お待たせいたしました」
「いえいえ、すいません、なんか」
「コタツが600円、コタツ板が200円になりますので、そのようにシールをご購入ください」
 戻ってきた女性は、えらく一刀両断であった。


 四月十五日(火)
 三十四歳になりました。

 週末に東京を出発し、知多市にある宇宙山乾坤院に土、日、月と籠もってきた。噂には聞いていたけれど、すごく綺麗なお寺。一年の無事と多幸のためにお経をあげてもらい、あとは、おいしいご飯など食べて過ごす。院主である鷲見さんとはかれこれ三年ほどの付き合いになる。無二の信頼関係があるのだが、いかんせん初対面がスヌーカーの試合の予選でだったので、それ以来のライバル関係でもある。『仮面ライダー龍騎』に例えるなら、北岡と朝倉の関係だ。私服も試合用の正装姿も見慣れていたが、袈裟姿は今回が初めて。二日目の朝にハッと目が覚めたらいきなり枕元に本格的な僧侶がいたのでたまげた。朝イチ僧侶。こんな経験そうそうできまい。またちょくちょく伺うつもり。月イチとかで行けたらほんとはいいんだけどね。それにしても、三日間本当に楽しかった。鷲見さん、トシコさん、ありがとう。

 角家とガルーダの商売繁盛も祈ってもらったので、その分の御守を持って、帰宅する道すがらガルーダにちょっとだけ顔を出して一杯。誕生日を祝ってもらった。今日も行って、本格的に祝ってもらう予定。
 しかし月並みだけれど、34なんて言ってもなにも変わらないものだな。僕は17くらいからあまり基本的に変わっていないので、すっかり年齢がダブルスコアになってしまった。


 四月十一日(金)
 二泊三日で名古屋への旅へ。一緒に行く友人に「迎え行こうと思ってたけど無理っぽいわ。ごめん」とメールしたら「明日だよね?」とのこと。明日だ!

 というわけで、3時ごろにあわてて銀行に出かけて用事を済ます。その帰り道に、ガルーダのヒデさんがもう一件やっているバー、JAWSへ。ここは午前11時からランチもやっている。美味い。3時から5時まではほんとは閉まっているのだが、カウンターで飲ませてもらう。で、気づいたらなぜか夜10時になっていた。朝早かったのもあり、帰宅してそのまま気を失う。

 ちょっとした用件にて、境界例人格障害について調べていたら、同障害にて悩んでいた昔の彼女のことを思い出して、なんか寂しくなった。同じような行動を取る人を見ると、いつも思い出す。ちなみにこちらにて、ちょっとしたチェックができます。おっかなびっくりやってみては!


 四月十日(木)
 さて、気持ちを切り替えて、仕事。一晩ぐったりして、翌日からは通常営業。このあたりはずいぶん器用になった。おかしなところにとどまる理由は見あたらず。任せられるもの、任せてもいいもの、任せてくださいと人が言うもの、俺じゃなくてもいいものは人に任せることにする。誰か友達に話してすっきりしようとも思ったが、そうしたところで友達に話せばどうしたって自分寄りにしか説明できず、それを聞いた友達からだと俺寄りの意見しかだいたいは得られないので、やめておく。そういうのはなんとなく公平じゃないから好きじゃないし、基本的に無駄だ。いろんな問題は当事者以外に話してもあんま意味ない。特に今みたいに、はなっから答が決まってることの場合は。酔っぱらうとたまに話しちゃうけど。つーか酔っぱらうと記憶に残っていないメールなど打ってしまったりしているようで、今後はちょっと酒量を控えねばと反省している昨今。そんなときのメールを読み返すと、あまりのひどさに愕然とする。
 ともあれそろそろ誕生日だし、いろんな意味でスイッチ入れ替えるにはいいタイミング。時間は限られてるしね。ほんと、締め切りとか大丈夫なのかしら。まあ、今までもそんなピンチはいくらでもあったはずが、ぜんぶなんとかなってきてるんだから、今回もなんとかなるんだろうけどね。

 話は360度変わって(←ツッコみどころ)もっとプライドの低い人間になりたい。昔はそれこそはなもちならないやつで、自分のこと天才だとばかり思っていたから、そうではないんだなと理解したときにずいぶんとマシになった。特別な能力があるでもなく、チワワくらい臆病で、だからチワワくらいよく吠える。そんな姿で二十年以上も生きてきたのかと分かったとき、ものすごく恥ずかしくて、それこそ死んでしまいたくなった。端から見ていたら、さぞかし滑稽だったに違いない。
 この「チワワ」がキーワードになった。「人になにかを向けられるA地点」から「自分が吠え出すB地点」までに、いったい自分はどんなプロセスを経ているんだろうということをかなり真剣に考えた時期が長くあり、最終的につじつまが合う説明をつけることができたのだけど、いろんなケースに当てはめてそのプロセスを考えてみたら、これがもう、実にみっともないものだったのだ。昔っから口だけはやたら達者だったから、そもそも言い過ぎる。真剣な話をしているというのに比喩ばっか使って失礼極まりない。そもそもその比喩に酔う。反論のための反論、批判のための批判、比喩のための比喩。素直に謝れず、むしろ自分を正当化することに必死になる余り、本気で「悪いのはお前」と思いこみ、胸の中でもなかなか非を認めない。自分の印象だけで第三者に相手の悪口を言い、人を味方につけて自分が安心しようとする。自分が持っている責任はわきまえず、権利ばかりを主張する。これでよくまあ生きてこられたものだと、自分を支えてくれていた人たちには本当に頭が下がる思い。こうやって書いてみると、僕は本当に性格が悪い。いい部分もあるんだろうけど、圧倒的に悪い。やはり「あの人はあんな人だけど、いいところもあるんだよ」と人に言わしめてしまう人間にはなりたくないので、まだまだ頑張る。今はまだ「お前、日記でああいうふうに自分のこと書いてたけど、ほんっとそのとおりだよ」とか人に言われたら「おいおいおい、こらこらこら(笑)」とか思っちゃう程度にガキ。
 これまで迷惑をかけてしまった人。嫌な気分にさせてしまった人。本当にごめんなさい。
 もっとプライドの低い人間になれば、もっと謙虚になれるはず。
 先日も、人に不快感を与えてしまった。悪かったなあと思いつつ、まあけっこう僕にとっても譲れない部分の大きい大事なことだったので、過剰になった部分があったんだろうな。ごめんね。

 とはいえ、なんか鬱になっているとか、めちゃくちゃ大変な事件があったとか、そういうわけではないのでご安心を。むしろスッキリして調子はいいのだ。そもそも、自分の短所をこんなに公然と書けるなんて俺すごい(←これが悪い)。


 四月九日(水)
 昨日、話の流れで「物を発表すること」についての話題になった。僕は、いい感想も悪い感想も当然どちらもあるはずなので、たとえ悪い感想を貰って「ちぇっ」と思っても、それは発表した自分の責任だと思っている。「いい感想だけください」というのは、なんというか、スヌーカーに例えるならば(またそんなわかりにくいものに)、「俺は球はずすけど、入ったことにしてくれませんか?」というのと似ている。作品だけじゃなくて、言葉にしても、ショットにしてもそうだけど、発した時点で結果は自分に跳ね返ってくる。その跳ね返ってきた結果がどんなものであれ受け取るというのが、やはり発した者の責任ということになるだろう。球をはずして、相手にチャンスを残して「その球入れちゃダメ!」っていうのは、やっぱおかしな話なわけで。んなこと言われたら「それは無理」としか言えないよな。

 なんてことを考えていたらすっかり夜が明けちまってね。眠いんだけどまったく眠れずにすっかり困り果てているわけなんだわ、これがまた。言いがかりはつけられるし、ベリー・マッチ・ショッキングなことはあるしで、今日はほんとにろくな日じゃない。友人の「つまらんトラブルに巻き込まれる時っていうのは、まだ自分がしょせんその程度のステージにいるんだと思って反省すべき時なんですよ」という言葉を何度も思い出した。なにひとつとして納得できることがなかった一日だが、それでも、向上心には繋がった。あと、ギュネイ・ガスにからまれるシャア・アズナブルの気持ちがすんげー分かった。


 四月八日(火)
 ここ二週間、眉間がピクピクピクピクして止まりません。

 原稿のチェックが二冊同時進行しているところに、さらに大至急でチェックすべきゲラが届く。深夜23時。明日、水曜午後には戻してほしいというので、月曜深夜から地獄のチェックざんまい。担当の編集者さんも焦っていたのだろうか。同封のレターに「申しわけございます」と書かれていて一瞬和んだが、もしやこれは意図的なのではとうっかり深読みし始めたら冷や汗が出てきた。

 雨で憂鬱。頭痛と吐き気がひどい。


 四月七日(月)
 俺が女性だったら、まちがいなく吹越満がタイプです。


 四月二日(水)
 早い早い。あっという間に四月になってしまった。なぜか加藤ミリヤなどかけて若者気分を満喫しつつ、やはり若くもなく、今月半ばで34歳を迎える。34かよ。数字にすると立派にオッサンだ。数字にしなくても、腹見りゃオッサンだけど。あ、ちなみにダイエットはなんとなーく継続中で、65キロくらいで体重は安定している。まあ当初の目標体重は達成したわけだし、もういいかな……。いや、もうちょっとやるかな……。うーん……。

 大詰めにさしかかった原稿が二本あってその推敲作業に追われていたので、またここ何日かは睡眠時間がバカみたいにバラバラになってしまった。昨日の夕方ぐらいにとりあえず一段落したので、今日は一日休みを取って、友達と新宿でエビの塩焼きを食べる会を開く。これから出かけるのだが、非常に楽しみだ。刺身も食べちゃうよ。

 なんかこう、えらく不器用な自分にうんざりしつつも、桜の花はやっぱりきれいだなあと喜ばしく春を迎える。